「岩波」「中公」「講談社」からスタートした縦長の本「新書」。
200〜400頁で、値段も手頃なため出版不況が深刻化してきた2000年頃から、各社から出版され「新書戦争」と呼ばれるほど刊行点数が増え、現在では品切れ・絶版をふくめ1万点以上が市場に出ていると思われます。
平均300頁として300万頁の「知の宝庫」です。
【買いたい新書】では、新書・文庫を中心に「必読良書」を紹介して行きます。

株式会社 エフロブ

フィクション
小説(評伝)[日本]
小説 上杉鷹山 童門冬二
集英社

小説(物語)[時代]
用心棒日月抄 藤沢周平
新潮社

小説[日本/現代]
医学生 南木佳士
文藝春秋

小説[日本/古典]
銀の匙 中勘助
岩波書店

医療ミステリー[現代]
安楽病棟 帚木蓬生
新潮社

医療小説[日本/古典]
赤ひげ診療譚 山本周五郎
新潮社

虚像淫楽 山田風太郎
角川書店

SF小説[古典]
山椒魚戦争 カレル・チャペック(著)/松谷健二(訳)
東京創元社

SF[英国/古典]
宇宙戦争 H.G.ウェルズ(著)/小田麻紀(訳)
角川書店

SF小説[外国]
NEXT—ネクスト マイクル クライトン(著)/酒井昭伸(訳)
早川書房

SF/生物学[外国/古典]
すばらしい新世界 ハックスリー(著)/松村達雄(訳)
講談社

SF[チベット/1930年代]
失われた地平線 ジェイムズ・ヒルトン(著)/池央耿(訳)
河出書房新社

経済株式小説(物語)[古典]
大番(上・下) 獅子文六
小学館

小説[冒険/フランス/古典]
十五少年漂流記 ジュール・ヴェルヌ(著)/波多野完治(訳)
新潮社

推理[日本/戦後]
獄門島 横溝正史
角川書店

青春小説[アメリカ/古典]
あしながおじさん ジーン・ウェブスター(著)/松本恵子(訳)
新潮社

ファンタジー[米国/古典]
ジェニーの肖像 ロバート・ネイサン(著)/井上一夫(訳)
早川書房

動物小説[外国/アメリカ]
荒野の呼び声 ジャック・ロンドン
岩波書店

戯曲[日本/古典]
米百俵 山本有三
新潮社

童話[日本/近代]
岩波書店

詩集[日本/近代]
金子みすゞ童謡集 金子みすゞ
角川春樹事務所


ノンフィクション
評伝[日本人/現代]
評伝[日本/現代]
人情話松太郎 高峰秀子
文藝春秋

評伝[日本/近代]
鷗外、屈辱に死す 大谷晃一
編集工房ノア

評伝[日本/古典]
代表的日本人 内村鑑三
岩波書店

伝記[米国/現代]
スティーブ・ジョブズ Ⅰ・Ⅱ W.アイザックソン(著)/井口耕二(訳)
講談社

ITとメディア[現代]
電子書籍の衝撃 佐々木俊尚
ディスカヴァー・トゥエンティワン

宝島社

ITとメディア(整理学)[日本/現代]
思考の整理学 外山滋比古
筑摩書房

社会・IT[日本/現代]
電子マネー革命 伊藤亜紀
講談社

メディア[米国/現代]
幻冬舎

国際社会と戦争[現代]
岩波書店

中央公論新社

各国の歴史[日本/現代]
新人物往来社

タッポーチョ 太平洋の奇跡 ドン・ジョーンズ(著)/中村定(訳)
祥伝社

歴史[日本/現代]
新潮社

各国の歴史[日本/古典]
古事記 倉野憲司
岩波書店

大名廃絶録 南條範夫
文藝春秋

逝きし世の面影 渡辺京二
平凡社

倭国伝 中国正史に描かれた日本 藤堂明保(著),竹田晃(著),影山輝國(著)
講談社

各国の歴史[日本/古代]
角川書店

角川書店

戦史[日本/現代]
太平洋戦争全史 太平洋戦争研究会 (著)、池田清 (編)
河出書房新社

各国の歴史[ギリシャ/古典]
歴史(全3冊) ヘロドトス(著)/松平千秋(訳)
岩波書店

国家論[日本/現代]
第三の敗戦 堺屋太一
講談社

環境破壊[ナウル/現代]
ユートピアの崩壊—ナウル共和国 リュック・フォリエ(著)/林昌宏(訳)
新泉社

働くことと企業[現代]
光文社

働くことと企業[古典]
健康と医療[現代]
医学の歴史 梶田昭
講談社

医学[日本/現代]
医学治療[日本/現代]
医学・医療[手記/現代]
無限振子 Lobin H. (著)
協同医書出版社

放射線医学[日本/現代]
内部被爆の脅威 肥田舜太郎・鎌仲ひとみ
筑摩書房

日本と日本人[現代]
集英社

国家・宗教・日本人 司馬遼太郎・井上ひさし
講談社

日本と日本人[古典]
西郷南洲遺訓 山田済斎
岩波書店

科学技術と戦争[日本/古典]
長崎の鐘 永井隆
サンパウロ

科学[進化医学/現代]
講談社

科学[生物学/現代]
時計遺伝子の正体 上田恭己
NHK出版

原子力[日本/現代]
創史社

原発[日本/現代]
原発労働記 堀江邦夫
講談社

地震学[日本/現代]
大地動乱の時代 石橋克彦
岩波書店

地震・噴火[日本/現代]
ソフトバンククリエイティブ

岩波書店

地震・津波[日本/現代]
文藝春秋

地球と宇宙[現代]
スノーボール・アース ガブリエル・ウォーカー(著)/渡会圭子(訳)
早川書房

趣味・ホビー[現代]
哲学と思想[現代]
ラッセル幸福論 B.ラッセル(著)/安藤貞雄(訳)
岩波書店

冤罪[日本/現代]
東電OL殺人事件 佐野眞一
新潮社

死刑[日本/近代]
中央公論事業出版

言語と語学[現代]
新潮社

コミュニケーション[現代/日本]
幻冬舎

日本映画[回想録]
朝日新聞社

人生訓・思想[日本/古典]
二宮翁夜話 二宮尊徳
岩波書店

哲学と宗教[古典]
人生の短さについて 他二篇 セネカ(著)/茂手木元蔵(訳)
岩波書店

宗教[日本/現代]
葬式は、要らない 島田裕巳
幻冬舎

宗教[日本/古典]
日蓮文集 兜木正亨 校注
岩波書店

高等教育[日本/現代]
書簡集[米国/現代]
チャリング・クロス街84番地 ヘレーン・ハンフ(著)/江藤淳(訳)
中央公論社

随筆[日本/近代]
思い出す事など 夏目漱石
岩波書店

回想録[日本/現代]

リファレンス本
事典/日本映画
日本映画ぼくの300本 双葉十三郎
文藝春秋

事典/歴史
歴代天皇総覧 笠原英彦
中央公論新社

レファレンス本/理系名著
文藝春秋

レファレンス本[ミステリー/日本/古典]
東海教育研究所

レファレンス本[科学/日本/現代]
今さら聞けない科学の常識 朝日新聞科学グループ
講談社

レファレンス本/医学[日本/現代]
ナツメ社

レファレンス本[日本/現代]
レファレンス本[地域/日本/広島]
広島学 岩中祥史
新潮社

レファレンス本/事典[日本/現代]
本の本[日本/現代]
文藝春秋

家系[日本/近代]
日本の有名一族 小谷野敦
幻冬舎

地図[日本/現代]
地図で読む東日本大震災 成美堂出版編集部
成美堂出版



「買いたい新書」連載にあたって   難波紘二

 90年代の初めにインターネットが出現して以来、必用な情報を素早く入手することが可能になりました。携帯とネットが接続して、最近では何処にいても音楽や動画を楽しめるようになりました。1455年のグーテンベルグによる活字印刷の発明以来の「情報革命」が、いま進行中です。が、それらは情報断片です。
 他方で、従来型の印刷本も「出版不況」といわれながらも、日本では年間約7万点が出版され、店頭に溢れています。本を読むことについて、古人はこう言っています。「書物を開くと、昔の人と会話できるのが楽しい」(アリストテレス)、「一人燈火の下で書物を広げて、遠い昔の人を友達にすることほど、楽しいことはない」(兼好法師)、「楽しみは、そぞろ読みゆく書(ふみ)の中(うち)に、我とひとしき人をみし時」(橘曙覧〔たちばなのあけみ〕、幕末の福井藩学者)
 今の世の中、「専門化」が行き過ぎて、若い人の「教養不足」が問題とされています。派遣労働者問題、失業率の増加問題なども、雇われる側に教養不足があり、つぶしが利かない点に雇う側が二の足を踏んでいるのが一因です。
 「教養とは、専門的知識はなくても、話し手の説明の中で、どこが正しくて、どこが間違っているかを、適切に判断出来る能力である」(アリストテレス)。「教養は、順境にあっては飾りであり、逆境にあっては避難所である」(同)。そしてこの高齢化社会、やがて誰でも歳をとり、会社人間から離れます。会社で維持してきた人間関係を失ったとき、孤独が待ち受けています。その時こそ、読書によって得られた教養が、人を支えてくれるのです。「教養は、老齢にとってのもっとも素晴らしい路銀である」(同)
 この連載では、私が今まで読んできた本、これから読む本だけでなく、選書法、速読法、本の整理法についても紹介する予定です。

獄門島 角川文庫, 1971
横溝 正史
 日本の本格的推理小説作家の横溝正史は、1920年作家として世に出たが、間もなく肺結核に冒され、長い闘病生活を余儀なくされた。戦争末期、父の実家があった岡山県西部の村に疎開し、3年を過ごした。ストレプトマイシンで結核を治療後、作家活動を再開したが、彼の作品に見られる土臭い、因習的な風味はこの時の体験にもとづく。
 「獄門島」(1949)はボサボサの髪をして、袴をはき、下駄をはいた名探偵金田一耕助が登場する作品としては、「本陣殺人事件」(1948)以来2作目である。1作目は昭和12(1937)年に設定されていたが、「獄門島」はそれから10年後の10月、戦争が終わり南方から引き揚げ船に乗った金田一が、船中で「妹三人が殺される!島へ行ってくれ…」と戦友に遺言されるところから始まる。その男鬼頭千万(きとうちま)は岡山県と広島県、香川県の三つの県境が接する辺りにある、瀬戸内海の孤島、獄門島の出身で、島を支配する大網元鬼頭家(本鬼頭)の長男であった。島には分家である分鬼頭家があり、その長男一(はじめ)もやはり南方に出征していた。両家は対立関係にある。
 千万の死を本鬼頭に伝えた耕助は、千万の祖父嘉右衛門が死去し、父の与三松は発狂して座敷牢に入れられ、姪の早苗が面倒をみていること、与三松の死んだ後妻で元旅役者の小夜が生んだ、18歳の月代を頭とする雪枝、花子の三姉妹はいずれも頭がおかしいことを知る。与三松の弟、分鬼頭の当主儀兵衛は中風で寝込んでいて、後妻の志保は復員兵の鵜飼を滞在させている。本鬼頭の膨大な財産は、分家の一が相続するか、気の変な三姉妹が受けつぐか、微妙な状況にある。
 取りあえず、嘉右衛門が支援していた曹洞宗千光寺の了然和尚のやっかいになることにした耕助は、和尚が用意してくれた枕屏風に、俳句が書かれた奇妙な3枚の色紙が貼られているのを見つける。達筆で書かれた句を耕助は苦心して判読するが一句だけは読めない。
 むざんやな 兜の下の きりぎりす(芭蕉)
 一つ家に 遊女も寝たり 萩と月(芭蕉)
 ◯の ◯を◯に ◯◯かな(其角)
 鬼頭千万の通夜の夜、花子の姿が消え、千光寺の庭で梅の古木の枝から逆さづりの絞殺死体となって発見される。こうして三姉妹の連続殺人事件が始まる。戦後という混乱期、因習に満ちた瀬戸内の孤島で、俳句を下敷きに展開される殺人。巧妙なトリック。動機は何か。犯人は誰か。そして誰も逮捕されないという結末。趣向といい緻密な構成といい、横溝作品のなかでも最高傑作のひとつとして挙げられる推理小説である。

獄門島
横溝 正史
出版社:角川書店; 改版 (1971/10)
文庫:353ページ
サイズ:14.8 x 10.6 x 1.6 cm

カテゴリー:推理[日本/戦後]
書評者:難波紘二
書評日:2012年1月30日